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まともな弁護士さんたち

韓日法律家 「1965年韓日請求権協定を尊重せよ」 共同声明発表
前例がない韓日両国自由保守指向法律家の連帯共同声明、「1966年韓日請求権協定の趣旨を尊重してこそ両国友好の道が開かれる」


メディアウォッチ 2019.12.24
http://www.mediawatch.kr/news/article.html?no=254490

  韓日両国の自由保守指向の法律家たちが、去る23日、ソウルと東京でそれぞれ記者会見を開いて「1965年韓日請求権協定」の尊重を要求する共同声明を発表した。
  今回の声明は、先月20日、民主弁護士会(民主社会のための弁護士会)(韓国)と日民協(日本)を始めとする韓日両国の左翼指向法律家が「韓国大法院の日本企業に対する損害賠償命令」を尊重せよとの声明を発表したことに対する正面対抗の性格だ。
  今回の声明は、韓国側からはコ・ヨンジュ弁護士、パク・イヌァン弁護士、ソク・ドンヒョン弁護士、キム・キス弁護士などが参加し、日本側からはタカイケカツヒコ弁護士、アラキタオサム弁護士、オザキユキヒ弁護士、カシヤエマコト弁護士などが参加した。 両国の主な知識人としてはイ・ウヨン ナクソンデ経済研究所研究委員と西岡力麗澤大学客員教授がそれぞれ参加した。
  今回の声明は、徴用問題を始めとする韓日両国国民の請求権問題について、「1965年韓日請求権協定で国際問題としては完全で最終的に解決されたもの」と明示した。関連の韓国大法院の一方的判決に対しても、「司法府が特定の歴史解釈を下すのは法解釈の側面や学問研究の側面でも決して望ましくない」と批判した。声明は、「1965年韓日請求権協定の趣旨を尊重することが将来にわたる両国の友好関係と発展を保証する唯一の道だと確信する」とし、「韓日両国は各国国民の国内外の私有財産権に対して保護する国家的責務があり、両国はこのような各国の立場を相互理解しなければならない」と訴えた。
  声明は、韓国側には「大局的な見地から強制執行を停止して、1965年韓日請求権協定の精神に基づいた解決の道を探さなければならない」と要請し、日本側には「韓国政府がこのような解決の道を捜し出せるように可能な全ての支援を実施しなければならない」と要請した。
  今回の共同声明は、韓国では当日午前11時、ソウルのソウル地方弁護士会館(日本は東京の弁護士会館)で記者会見形式で発表された。記者会見で、韓国側の代表弁護士であるコ・ヨンジュ弁護士は、声明発表後「日本は我が国周辺の唯一の民主国家であり韓日両国国民が仲良くすることが韓国の安保のためにも必要だ」とし、「このような趣旨から今回の声明を発表することになった」と所感を明らかにした。

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「韓国にも三権分立がある」は間違い

「韓国にも三権分立がある」 元徴用工訴訟問題で文大統領

2018/01/10  毎日新聞

【ソウル堀山明子、渋江千春】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日の新年の記者会見で、元徴用工訴訟問題を受けて悪化する日韓関係について、「両国の知恵を合わせて解決しようと考えているが、日本の政治指導者たちが政治争点化し、問題を拡散するのは賢明な態度ではない」と日本側の対応を批判した。その上で、訴訟問題の対応については「状況を見守ってから判断しても良いのではないか」と時間がかかるとの認識を示した。
  韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた昨年10月の元徴用工訴訟を巡っては、韓国司法当局が同社側に社有資産の差し押さえを9日に通知。これを受けて日本政府は1965年の日韓請求権協定に基づく政府間協議を韓国側に申し入れている。韓国政府の早期対応がなければ、日本企業に実質的な経済損失が生じる可能性があるが、文大統領は会見で日本側の要請に応じる意思を明らかにしなかった。
  また、文氏は最高裁判決について「日本を含む先進国と同じように韓国にも三権分立があり、韓国政府は司法判断を尊重する必要がある。日本は韓国司法府の判断に不満を表明することはできるが、基本的にどうすることもできない部分があると認識してもらいたい」と主張。「被害者たちの苦しみを癒やすために、日韓両国がどう解決していくのか、知恵を集めていくべきだ」と述べたうえで、「政治的な争いととらえ、未来志向的な関係まで壊そうとするのは望ましくない」とも指摘した。
  文氏は冒頭の「新年の辞」では、ほぼ経済問題と南北関係にのみ時間を割いた。朝鮮半島情勢について「近く開催される2回目の米朝首脳会談と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長のソウル訪問は、朝鮮半島の平和を確かにする転換点になる」と述べ、米朝と南北関係が同時に進展することへの期待感を示した。



<コメント>
 
韓国の憲法
65条①大統領・国務総理・国務委員・行政各部の場・憲法裁判所裁判官・裁判官・中央選挙管理委員会委員・監査院長・監査委員その他法律が定めた公務員がその職務執行において憲法や法律に背反した時には国会は弾劾の訴追を議決することができる。


 三権分立とは三権の「分立」なのであって、三権相互間に牽制が働いて一つの権力が好き勝手はできない仕組みのことを言う。韓国の現状ではそういう仕組みが全く機能しない(行政権も立法権も司法権を統制しない、できない、統制しようという気も無い)ので「三権分立」などと威張れる状態ではない。

  裁判官に対して作用する牽制としては、日本の場合は弾劾裁判と最高裁裁判官国民審査がある。(韓国には国民審査制度は無いようだ。)

 韓国の場合、弾劾手続はあるものの、国際法無視という異常判決を出した大法官たちを弾劾するという考えなどさらさら無いだろうし、もし弾劾が提起されても否決されるだろうし、裁判機関に対する牽制など何も機能しない。こういう状態は裁判所の独裁であって「三権分立」とは言わないのですよ。(文大統領自身が「裁判所の判決には従わなければならない」としか言っていない。)

 三権分立がまともに働いているとするならば、今回の異常判決事件の真っ当な解決方法は、まずあの条約無視判決を出した大法官たちの弾劾を行って罷免し、代わって道理の分かる大法官を任命し、先の判決の無効確認訴訟か何かを新たに提起して前判決無効の判決を出させる、ということになるのだろうが、全ての権力の上に国民情緒法が君臨する社会では夢物語に過ぎない。





お決まりの行動パターン


 後先の考えなしに不都合なことをしでかして、

 それを指摘・批判されるときちんと反論できないものだから、

 他のことを持ち出して話をごまかすほうに持っていく。

   竹島問題、慰安婦合意破棄、請求権協定裁判、レーダー照射問題。何でもそう。

 事実を率直に認めようという気持ちはさらさら無い。




文大統領「仕方がないと思え」

日本人記者を指名するはずじゃなかった!?
韓国大統領が新年会見で日本批判「問題拡散は賢明でない」

2019/1/10  FNN PRIME



  1月10日午前10時、新年の記者会見に臨んだ韓国の文在寅大統領。
 日本にとって最大の注目は、いわゆる徴用工訴訟をめぐり韓国の最高裁が新日鉄住金に賠償金を支払うよう命じ、新日鉄住金の資産が差し押さえられた問題だ。日本政府が韓国政府の適切な対応を厳しく求める中、文大統領の発言が注目されたが、冒頭での言及はなかった。
場所を移して行われた質疑応答では、自ら質問者を指名するスタイルをとったが、質問は北朝鮮問題に集中。
   「金正恩委委員長が訪中しましたが、どのような評価をしていますでしょうか?」という韓国人記者の質問に対しては、「ひと言で言えば、2回目の米朝首脳会談が近づいてきたことを示す兆候だと思います」と答えた。その後も韓国経済などについての質問が続いたが、最終盤でついに日本人記者に質問の機会が訪れた。

日本人記者の質問に「日本政府はもっと謙虚な姿勢を」

日本人記者:
日本政府が日韓請求権協定に基づいて、韓国側に協議を要請しました。これに対して、大統領はどのような対応を考えていらっしゃいますか?

文大統領:
これは韓国政府が作り出した問題ではありません。過去の不幸だった長い歴史のために生まれた問題です。日本政府はこの問題に対して、もっと謙虚な姿勢をとってほしい。この問題を日本の政治家や指導者が政治的に争点化し、論争の種にして拡散していることは賢明な態度ではない。

このように、文大統領は立て続けに日本を非難。さらに、「三権分立の原則から、韓国政府は司法判断に関与できない」と改めて強調した上で、次のように述べた。

文大統領:
日本も基本的に不満があったとしても、「この部分は仕方がない」という認識を持たなければいけない。日韓両国がどう解決していくか、真摯に知恵を出し合うべきだと思っている。

  日本が9日に要請した協議への対応については、回答を避けた文大統領。日本人記者を指名した後で「実は、その後ろの方を指名するつもりだったんですが…」とひと言ぽつりとこぼす場面もあった。

専門家は「非常に強気の姿勢」と指摘…日本政府関係者はどう見たか

  今回の会見について、日本政府関係者からは「あれは国内向けの会見だから、ああいう言い方をするでしょ。いま文大統領は必死なのが伝わってくるよね」「未来志向と言っておきながら、過去ばかりにとらわれる、とんでもない大統領だ」といった声が聞かれた。
 龍谷大学の李相哲教授は、「もう司法判断に任せましょうと。それに『日本の政治家はあんまり騒ぐな』と、非常に強気の姿勢を見せたとしか思えない」と指摘する。そして10日午後、韓国外務省は会見で、徴用工問題をめぐる日本からの協議要請については、今後、綿密に検討し、日本との関係などを総合的に勘案して対応する方針を示した。さらに、韓国側が協議に応じる場合は、慰安婦問題なども議題にするよう逆提案する可能性も浮上しており、今後の対応が注目される。

韓国側は“慰安婦問題“も協議要請か

反町理キャスター:
この逆提案ですが、日本政府は韓国側に元徴用工問題を二国間協議にかけるべきとしているのですが、韓国側はその協議のテーマに慰安婦問題も加えることを求める可能性が出てきています。その理由として、韓国側は「2011年に慰安婦問題で二国間協議を日本に申し入れたが成立しなかった」という事実を挙げて、紛争調停手段としての二国間協議なのだから、今回、従軍慰安婦問題も併せて協議するのはおかしくないんじゃないかという立場なんですね。
こうした動きに対して、新潟県立大学の浅羽祐樹教授は、「韓国側にしてみれば慰安婦問題を混ぜ込むことで損はしないし、日本側は当然、こうした展開を予測していたのではないか」と指摘しています。その上で、「結局、二国間協議は痛み分けになるだろう。こうした韓国側の動きは、その先の先にある国際司法裁判所での争いに向けた準備にも見える」と分析しています。

(「プライムニュース イブニング」)


<コメント>
 なかなか印象的な答弁なので、一応このブログにも記録しておこう。

 自分の身内がハチャメチャをしでかして他人に迷惑をかけた。その相手が怒ったら「仕方がないと思いなさい」という。内心では自分の身内はいいことをした、と思っているので何とか解決しようとは全く考えない。一国の大統領が、ね。

 まあしかし、これほど露骨な敵対関係に至れば、何か動くものも出て来るかも知れない。そういうふうに持っていくのが政治家あるいは外交官の腕前のはずだが。




賠償命令大法院判決20181129要旨

大法院宣告201545420損害賠償()事件に関する報道資料

2018-11-29 韓国大法院
 
 大法院(主審:大法官チョ・ジェヨン)は、2018.11.29、日帝強占期強制動員被害者が日本企業(三菱重工業株式会社)を相手に提起した損害賠償請求訴訟で、被告(三菱重工業)の上告を棄却して、被告が強制動員被害者に1人当り1億ウォンから1 5,000万ウォンの慰謝料を支給しなければならないとする原審判決をそのまま確定させました(大法院2018.11.29宣告201545420判決)。原告らと亡キム・スンレ、亡キム・ボクレ(以下「原告ら」という)19445月ごろ国民徴用令、女子挺身勤労令によって強制動員された被害者です。大法院2012.5.24宣告200922549200968620判決(関連事件還送判決)は「請求権協定にも拘わらず、原告らのような強制動員被害者は被告を相手に損害賠償請求権を行使することができる」という趣旨の判断をし、この事件の訴は上記の判決宣告後の2012.10.24に提起されて、第一、二審は原告らの慰謝料請求権を認めました。この事件の主要争点は大法院2018.10.30宣告201361381全員合議体判決(被告が「新日鉄住金株式会社」である事件)と同一。この事件でも大法院は上の全員合議体判決と同じように、原告らの損害賠償請求権は「日本政府の韓半島に対する不法な植民支配及び侵略戦争の実行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権」であり、請求権協定の適用対象に含まれないとしました。被告の消滅時効完成の主張と関連しては、被告がこの事件で消滅時効の完成を主張して原告らに対する債務の履行を拒否することは顕著に不当で、信義誠実の原則に反する権利の濫用として許されないと判断した原審結論を肯定しました。

(下線は翻訳者による。)


<コメント>
 ほお、「信義誠実の原則に反する権利の濫用」ねえ。そりゃ裁判官自身のことだろ。


 ところで、このニュースの趣旨とは全く関係のない、韓国語特有のいらいらさせられる言い回しを一つ紹介します。

 「被告の消滅時効完成の主張と関連しては、」という語句があるのですが、日本語で「関連」と言えばそれ自体ではなくてそれと関係のある別のことを指すのが普通だと思うのだが、韓国語ではそうではありません。
 上の判決文の「被告の消滅時効完成の主張と関連しては、」に続く説明は正に消滅時効完成の主張そのものに対する回答になっているのです。このように、韓国語ではそのもの自体を説明する際に「・・・・と関連して」という何か間接的なことを連想させる表現がごくごく当たり前に用いられます。この判決文が特別なのではなく、ニュースでも論文でもしょっちゅう登場します。
 まあ、韓国語ではそういう使い方をするのだろうから外国人である私がそれに異議を言う筋ではないのだが、この表現に出会うたびにいらいらするのも事実です。

 で、そういう文章を翻訳するときは、そのときの気分次第でそのまま「・・・・と関連して」と訳したり、より日本語として自然な「・・・・に関して」とか「・・・・について」と訳したりしています。この判決文の場合なら、本当は「被告の消滅時効完成の主張に関しては、」あるいは「被告の消滅時効完成の主張については、」と訳するのがいいんでしょうね。





韓国大法院おバカ判決PartⅢ

「三菱、強制徴用被害者23人にそれぞれ8000万ウォン賠償を」 韓日外交摩擦は不可避に

2018年11月29日 中央日報日本語版

  日帝強制徴用被害者が三菱重工業から一人8000万ウォン(808万円)の賠償受けることになった。韓国大法院(最高裁)で一度破棄差戻しを経て、2013年に再上告されてから約5年ぶりに下された最終結論だ。大法院2部(主審パク・サンオク大法官)は29日、故パク・チャンファンさんら強制徴用被害者と遺族23人が三菱重工業に対して起こした損害賠償請求訴訟で、各8000万ウォンを賠償するよう命じる原審を確定した。 
   1944年9~10月に強制徴用されて広島の三菱重工業機械製作所や造船所で働いたパクさんらは、2000年5月に釜山(プサン)地裁に強制徴用による損害賠償金と強制労働期間中に支払われなかった賃金を合算して1億100万ウォンをそれぞれ支払うよう求める訴訟を起こした。 
   1・2審は「不法行為があった日からはもちろん、日本との国交が正常化した1965年から起算しても、訴訟請求がそれから10年経過しており、損害賠償請求権が時効成立で消滅している」として原告敗訴の判決を下していた。 
   しかし、2012年5月大法院は「請求権が消滅時効成立で消滅したという被告の主張は、信義誠実の原則に反していて認めることはできない」とし、2審裁判を再度行うよう判決した。再び行われた2審は大法院の破棄差戻しの趣旨に沿って損害賠償請求権は消滅しなかったとし、三菱重工業に一人につき8000万ウォンを賠償するよう命じた。 
    大法院も今回は破棄差戻し審の判断が正しいとした。先月、新日鉄住金に強制徴用被害者に対して1億ウォンを賠償するよう命じた大法院全員合議体の判決が下されて、大法院で審議中だったこの事件も三菱側の賠償責任が認められるだろうと期待されていた。 
   ただし、このように大法院が三菱重工業の賠償責任も認めたことで、韓日間の外交的摩擦は避けられなくなったとの展望も出ている。        




大韓民国大法院による日本企業に対する判決確定について
(外務大臣談話)
平成30年11月29日

1 日韓両国は,1965年の国交正常化の際に締結された日韓基本条約及びその関連協定の基礎の上に,緊密な友好協力関係を築いてきました。その中核である日韓請求権協定は,日本から韓国に対して,無償3億ドル,有償2億ドルの経済協力を約束する(第1条)とともに,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており,いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており,これまでの日韓関係の基礎となってきました。
2 それにもかかわらず,10月30日の判決に引き続き,本29日,大韓民国大法院が,三菱重工業株式会社に対し,損害賠償の支払等を命じる2件の判決を確定させました。これらの判決は,日韓請求権協定第2条に明らかに反し,日本企業に対し一層不当な不利益を負わせるものであるばかりか,1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって,極めて遺憾であり,断じて受け入れることはできません。
3 日本としては,大韓民国に対し,日本の上記の立場を改めて伝達するとともに,大韓民国が直ちに国際法違反の状態を是正することを含め,適切な措置を講ずることを重ねて強く求めます。
4 また,直ちに適切な措置が講じられない場合には,日本として,日本企業の正当な経済活動の保護の観点からも,引き続き,国際裁判や対抗措置も含めあらゆる選択肢を視野に入れ,毅然とした対応を講ずる考えです。

(参考)「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」(1965年12月18日発効)
第二条
1 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
(中略)
3 2の規定に従うことを条件として,一方の締約国及びその国民の財産,権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては,いかなる主張もすることができないものとする。



<コメント>
 韓国の大法官(最高裁判所裁判官)という人たちは、条約を理解できないどころか三権分立という基本中の基本のことさえ分かっていない。

 請求権協定の第3条には紛争解決の規定がある。
 
第3条
1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。

2 1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。

3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。

4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。


 まあ、2項以下に書かれている仲裁手続きは現在ではちょっと現実味の無いやり方なので、実際はこれをすっ飛ばしてお互い国際司法裁判所でやりましょうと合意するということでも良くて、そのあたりの手続きはどうでもいいのだが、要は、協定の解釈で対立があるなら両国間で協議するなり何なりして解決しましょうという規定になっている。つまり、条約解釈で問題が生じたときにそれを解決するのは三権のうちの行政権の責任だ。
 だから、もし裁判所が現協定の解釈運用は誤っていると考えるならば、その始末の付け方としては、行政権に対して「相手国と交渉すべし」と勧告すべきなのだ。(憲法裁判所の慰安婦問題判決はそういう形だった。)

 ところが、韓国の大法院は一連のおバカ判決で協定の解釈について自らが一方的に最終結論を下してしまった。司法権が最終結論を下してしまうならば行政権の出番はなくなる。国内問題であればそれでいいのだが、外交問題という相手方が存在する問題において司法権がこういうふうに最終結論を出したということは、自分たちは何の矢面にも立たない安全な場所にいながら司法権が外交紛争を引き起こしたわけだ。三権の役割分担を全く分かっていないし、内容もさることながらその形式としても三権分立を無視した異常な判決であるために、当面、誰もどう動きようもないという妙な状況を作り出してしまった。

 ということは「裁判所が外交をやる」というつもりなのだろう。相応の責任は取ってもらおうではないか。日本政府は、韓国の行政権(大統領)ではなくて司法権(大法院)に対して直接に「請求権協定第3条第1項に基づく交渉を行いたい」と申し入れていいんじゃないでしょうかねー(笑)


 それと、そもそも条約というものは両当事国の行政権が約束を交わし、それを立法権が承認することによって両国民の総意として締結されるものですが、それを簡単にひっくり返すことができるのだから、韓国の司法権というものは日韓両国民の上に君臨するおえらーい存在なのです。これは「日本国民は韓国の裁判官の判断に従え」と言っている判決です。
 三権分立を理解できていないのはもちろんなのだが、さらに、これは朝鮮民族において顕著に見られる「他人を支配したい」という願望の現れた判決でもあると言えます。




憲法の条約尊重義務

  韓国大法院の賠償命令判決と関連して、日本の憲法と韓国の憲法における、憲法と条約と裁判官の関係を比較して見た。それぞれ次のような規定がある。
 
(日本国憲法)
第76条
すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
 

第98条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 
 
(大韓民国憲法)
第6条①憲法によって締結・公布された条約と一般的に承認された国際法規は国内法と同じ効力を持つ。
外国人は国際法と条約が定めるところによってその地位が保障される。
 
第103条 裁判官は憲法と法律によってその良心に従って独立して審判する。
 
 

裁判官の心得の規定は日本も韓国もまあ同じだ。
 
国際条約と国家あるいは憲法との関係についてだが、条約法条約で「効力を有するすべての条約は、当事国を拘束し、当事国は、これらの条約を誠実に履行しなければならない。」(第26条)と規定されているのは当たり前のこと(確立した国際慣習というか常識というか)を当たり前に規定してあるのだが、日本国憲法でも「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」(第98条第2項)と定めている。ということは、日本では、公権力に携わる者が条約に違反する判断をすることは、その条約違反になるのはもちろんだが、それは憲法違反の行為でもあるということになる。だから、「この決定は条約に違反することにはならないだろうな」というふうに、けっこう慎重に思考することになるだろう。
 
ところが、韓国の憲法にはこの条約尊重義務規定が無い。だから条約を軽く見ることになる・・・・・と言ってしまうのはいくら何でも乱暴だからそこまでは言わないが、そういう要因はないのだろうかなあ。
 

請求権の範囲

平成27年2月4日提出
質問第26号
請求権に関する再質問主意書
提出者  緒方林太郎

請求権に関する再質問主意書
  財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(昭和40年条約第27号)における請求権に関し、以下の通り質問する。
一 この請求権とは、如何なる権利であり、どのような内容を包含しているか。
二 この請求権とは、当該条約が締結された時点で明らかになっていなかった事案に起因する請求権をも含むと考えて差し支えないか。
 右質問する。



平成27年2月13日受領
答弁第26号
内閣衆質189第26号
平成27年2月13日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 町村信孝 殿

  衆議院議員緒方林太郎君提出請求権に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。

  衆議院議員緒方林太郎君提出請求権に関する再質問に対する答弁書

 一について
 財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(昭和40年条約第27号。以下「本協定」という。)第2条1にいう「請求権」とは、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定についての合意された議事録(昭和40年外務省告示第256号)2(a)において「法律上の根拠に基づき財産的価値を認められるすべての種類の実体的権利」とされている「財産、権利及び利益」に当たらないあらゆる権利又は請求を含む概念であると解される

二について
 お尋ねの「明らかになっていなかった事案」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本協定第2条3は、「一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権」であって本協定が署名された1965年6月22日以前に生じた事由に基づくものに関しては、「いかなる主張もすることができない」と規定している。

   * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

[参考]
「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」(1965年12月18日発効)
第2条
1 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,1951年9月8日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第4条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
(中略)
3 2の規定に従うことを条件として,一方の締約国及びその国民の財産,権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては,いかなる主張もすることができないものとする



<コメント>
 つまり、今回の裁判で問題とされた「不法行為による損害賠償請求権」というようなものは、請求権協定締結の時点で実体的権利として確定していたわけではないから請求権協定第2条第3項のうちの「財産、権利及び利益」ではなくて、それら以外のあらゆる権利または請求を意味する「請求権」のほうに該当するわけだが、どのみち「いかなる主張もすることができない」となっている。
 それを、韓国大法院の多数の裁判官は、「不法な植民支配に基づく不法行為による損害賠償請求権だったらこの請求権には含まれていない」と言っている。


大法院2018賠償命令判決 (8)

11. 大法官キム・ジェヒョン、大法官キム・ソンスの多数意見に対する補充意見
. 原告たちが主張する被告に対する損害賠償請求権、すなわち「強制動員慰謝料請求権」は請求権協定の対象に含まれないという多数意見の立場は、条約の解釈に関する一般原則に従ったものとして妥当だ。その具体的な理由は次のとおりだ。
. 条約解釈の出発点は条約の文言だ。当事者が条約を通じて達成しようと思う意図が文言として現れるためだ。したがって、条約の文言が持つ通常の意味を明らかにすることが条約の解釈で最も重要なことだ。しかし、当事者が共通して意図したこととして確定した内容が条約文言の意味と異なる場合には、その意図により条約を解釈しなければならない。この時、文言の辞典的な意味が明確でない場合には、文脈、条約の目的、条約締結の過程を始めとする締結当時の色々な事情だけでなく、条約締結以後の事情も総合的に考慮して条約の意味を合理的に行解釈しなければならない。ただし、条約の締結過程で行われた交渉過程や締結当時の事情は、条約の特性上、条約を解釈するのに補充的に考慮しなければならない。
一方、条約が国家ではなく個人の権利を一方的に放棄することのような重大な不利益を賦課する場合には約定の意味を厳格に解釈しなければならず、その意味が不明な場合には個人の権利は放棄していないと見なければならない。個人の権利を放棄しようとして条約を締結しようと思うならば、そのことを明確に認識して条約の文言に含ませることによって一人一人がそういう事情を分からなければならないためだ。
1969年に締結されたウィーン協約は大韓民国に対しては1980.1.27に、日本に対しては1981.8.1に発効したので、この協約は1965年に締結された請求権協定の解釈基準として直ちに適用することはできない。ただし、条約解釈に関するウィーン協約の主な内容は既存の国際慣習法を反映したものと見ることができるので、請求権協定を解釈するにも参考とすることができる。条約の解釈基準に関する多数意見はウィーン協約の主な内容を反映したものであり、条約の解釈に関する一般原則と異ならない。ただし、ウィーン協約が請求権協定に直接適用されるのではないから、請求権協定を解釈する時にウィーン協約の文面そのままに従わなければならないのではない。
. この事件の主な争点は、請求権協定前文と第2条に出てくる「請求権」の意味をどのように解釈するのかだ。具体的には上記「請求権」に「日本政府の韓半島に対する不法な植民支配・侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする、強制動員被害者の日本企業に対する精神的損害賠償請求権」、すなわち「強制動員慰謝料請求権」が含まれるのかどうかが問題になる。請求権協定では「請求権」が何を意味するのか別に定めていない。請求権は非常に多様な意味で使われ得る用語だ。この用語に不法行為による損害賠償請求権、特にこの事件で問題となった強制動員慰謝料請求権まで一般的に含まれると断定することはできない。
したがって、請求権協定の文脈や目的などを併せて調べなければならない。まず、請求権協定第2条ではサンフランシスコ条約第4条(a)に明らかに言及しているので、サンフランシスコ条約第4条が請求権協定の基礎になったことには特別な疑問がない。すなわち、請求権協定は基本的にサンフランシスコ条約第4条(a)にいう「日本の統治から離脱した地域(大韓民国もこれに該当する)の施政当局・国民と日本・日本国民間の財産上の債権債務関係」を解決するためだ。ところが、このような「債権債務関係」は日本の植民支配の不法性を前提とするのではなく、そういう不法行為に関連した損害賠償請求権が含まれたものでもない。特に、サンフランシスコ条約第4条(a)では「財産上の債権債務関係」に関して定めているので、精神的損害賠償請求権が含まれる余地はないと見なければならない。
サンフランシスコ条約を基礎として開かれた第一次韓日会談で韓国側が提示した8個の項目は次のとおりだ。「①1909年から1945年までの間に日本が朝鮮銀行を通じて大韓民国から搬出して行った地金および地銀の返還請求、②1945.8.9現在及びその後の日本の対朝鮮総督府債務の返済請求、③1945.8.9以後に大韓民国から振り替えまたは送金された金員の返還請求、④1945.8.9現在の大韓民国に本店、本社または主たる事務所がある法人の在日財産の返還請求、⑤大韓民国の法人または大韓民国の自然人の日本銀行券、被徴用韓国人の未収金、補償金及びその他請求権の返済請求、⑥韓国人の日本国または日本人に対する請求として上の①~⑤に含まれないものは韓日会談成立後に個別的に行使する可能性があることを認めること、⑦前記の種々の財産または請求権から発生した種々の果実の返還請求、⑧前記の返還および決済は協定成立後に即時に開始して、遅くとも6ヶ月以内に完了すること」だ。
上記8個の項目に明らかに列挙されたものは、全て財産に関するものだ。したがって、上の第5項で列挙されたものも、例えば徴用に伴う労働の代価として支給される賃金など財産上の請求権に限定されたもので、不法な強制徴用に伴う慰謝料請求権まで含まれたと見ることはできない。さらに、ここでいう「徴用」は国民徴用令に基づいた徴用だけを意味するのか、あるいは原告たちのように募集方式または官斡旋方式で行われた強制動員まで含まれるのかは明確ではない。また、第5項は「補償金」という用語を使っているが、これは徴用が適法だという前提で用いた用語であり、不法性を前提とした慰謝料が含まれることがないのは明白だ。当時の大韓民国と日本の法制では「補償」は適法な行為による損失を補填するもので、「賠償」は不法行為による損害を補填するものと明確に区別して用いていた。請求権協定の直前に大韓民国政府が発刊した「韓日会談白書」でも「賠償請求は請求権問題に含まれない。」と説明している。「その他」という用語も先に列挙したものと類似の付随的なものだと見なければならないので、強制動員慰謝料請求権を含むと見るのは行き過ぎた解釈だ。
請求権協定に関する合意議事録()では請求権協定によって完全にそして最終的に「解決されるものとする」請求権に8個の項目の範囲に属する全ての請求が含まれると定めているが、上のように上記第5項の「被徴用韓国人の未収金、補償金及びその他請求権の返済請求」は日本の植民支配の不法性を前提としたとは見られないので、強制動員慰謝料請求権がここに含まれると見ることはできない。
結局、請求権協定、請求権協定に対する合意議事録()の文脈、請求権協定の目的などに照らして請求権協定の文言に現れた通常の意味に従って解釈する場合、請求権協定にいう「請求権」に強制動員慰謝料請求権まで含まれると見るのは難しい。
. 上のような解釈方法だけでは請求権協定の意味が明らかでなく、交渉記録と締結時の種々の事情などを考慮してその意味を明らかにしなければならないとしても、上のような結論は変わらない。
まず、請求権協定締結当時の両国の意思はどういうものであったかを見渡して見る必要がある。一般的な契約の解釈と同じように、条約の解釈においても、表に出た表示にもかかわらず両国の内心の意思が一致していたとすればその真意により条約の内容を解釈することが妥当だ。万一、請求権協定当時の両国いずれもが強制動員慰謝料請求権のような日本の植民支配の不法性を前提とする請求権も請求権協定に含ませることとする意思が一致していたと見られるならば、請求権協定にいう「請求権」に強制動員慰謝料請求権も含まれると見ることができる。しかし、日本政府が請求権協定の当時はもちろん、現在までも強制動員の過程で反人道的な不法行為が強行されたという点はもちろん植民支配の不法性についても認めずにいるのは周知の事実だ。また、請求権協定の当時、日本側が強制動員慰謝料請求権を請求権協定の対象としたと見るほどの資料もない。当時、強制動員慰謝料請求権の存在自体も認めなかった日本政府が請求権協定にこれを含ませるという内心の意思を有していたと見ることはできない。これは、請求権協定当時の大韓民国政府も同じだったと見るのが合理的だ。
多数意見で見たように、請求権協定締結の直前である1965.3.20に大韓民国政府が発刊した公式文書である「韓日会談白書」ではサンフランシスコ条約第4条が韓日間の請求権問題の基礎になったと明示していて、さらに「上記の第4条の対日請求権は戦勝国の賠償請求権と区別される。大韓民国はサンフランシスコ条約の調印当事国ではなく、第14条の規定による戦勝国が享有する損害と苦痛に対する賠償請求権を認められることができなかった。このような韓日間の請求権問題には賠償請求を含ませることはできない。」という説明までしている。
一方、上のような請求権協定締結当時の状況の他に締結以後の事情も補充的に条約解釈の考慮要素になることができるが、これに従っても、請求権協定にいう「請求権」に強制動員慰謝料請求権が含まれると見ることはできないという点が後押しされる。請求権協定以後、大韓民国は請求権資金法、請求権申告法、請求権補償法を通じて1977.6.30まで被徴用死亡者8,552人に1人当り30万ウォンずつ、合計256,560万ウォンを支給した。これは上の8個の項目のうち第5項の「被徴用韓国人の未収金、補償金及びその他請求権の返済請求」が請求権協定の対象に含まれるのに伴った後続措置と見えるだけであり、強制動員慰謝料請求権に対する返済だと見るのは難しい。さらに、その補償対象者も「日本国によって軍人・軍属または労務者として招集または徴用されて1945.8.15以前に死亡した者」に限定されていた。また、以後大韓民国は2007年犠牲者支援法等を通じていわゆる「強制動員犠牲者」に慰労金や支援金を支給することはあったが、該当法律ではその名目を「人道的次元」のことと明示していた。このような大韓民国の措置は、請求権協定に強制動員慰謝料請求権は含まれておらず、大韓民国が請求権協定資金で強制動員慰謝料請求権者に対して法的な支給義務を負担しないことを前提とすると見るほかはない。
. 国家間の条約を通じて国民一人一人が相手国や相手国の国民に対して持つ権利を消滅させることが国際法上許されるとしても、これを認めるためには該当条約でこれを明確に定めていなければならない。さらに、この事件のように国家とその所属国民が関与した反人道的な不法行為による損害賠償請求権、その中でも精神的損害に対する慰謝料請求権の消滅のような重大な効果を付与しようとする場合には、条約の意味をより一層厳格に解釈しなければならない。サンフランシスコ条約第14条が日本によって発生した「損害と苦痛」に対する「賠償請求権」とその「放棄」を明確に定めているのと異なり、請求権協定は「財産上の債権債務関係」だけに言及していて、請求権協定の対象に不法行為による「損害と苦痛」に対する「賠償請求権」が含まれたりその賠償請求権に対する「放棄」を明確に定めていない。
日本政府の韓半島に対する不法な植民支配と侵略戦争の実行に直結した日本企業の反人道的な不法行為によって強制動員されて人間としての尊厳と価値を尊重されないままあらゆる労働を強要された被害者である原告たちは、精神的損害賠償を受けること無く相変らず苦痛を受けている。大韓民国政府と日本政府は強制動員被害者の精神的苦痛を過度に軽く見て、その実状を調査確認する努力さえしないまま請求権協定を締結したものであるとも言える。請求権協定において強制動員慰謝料請求権に関して明確に定めなかった責任は協定を締結した当事者が負担しなければならないもので、これを被害者に転嫁してはいけない。
以上のような理由から多数意見の論拠を補充したいと思う。
 


裁判長 大法院長 キム・ミョンス
主審 大法官 キム・ソヨン
大法官 チョ・ヒデ    大法官 クォン・スンイル     大法官パク・サンオク
大法官 イ・ギテク     大法官キム・ジェヒョン     大法官チョ・ジェヨン
大法官 パク・ジョンファ   大法官 ミン・ユスク     大法官キム・ソンス
大法官 イ・ドンウォン     大法官ノ・ジョンヒ

(終り)

大法院2018賠償命令判決 (7)

(4)国際法上の国家の外交的保護権(diplomatic protection)とは、外国で自国民が違法・不当な取り扱いを受けたが現地機関を通した適切な権利救済が成り立たない場合に、最終的にその国籍国が外交手続きや国際的司法手続きを通じて外国政府を相手に自国民に対する適当な保護または救済を要求できる権利だ。外交的保護権の行使主体は被害者個人でなくその国籍国であり、外交的保護権は国家間の権利義務に関する問題なのであって国民個人の請求権の有無に直接影響を及ぼさない。
ところで、先立って調べたように、請求権協定第2条は大韓民国国民と日本国民の相手方国家及びその国民に対する請求権まで対象にしているということは明らかなので、請求権協定を国民個人の請求権とは関係なく両締約国が互いに対する外交的保護権だけを放棄する内容の条約だとは解釈し難い。また、請求権協定第2条1に規定した「完全にそして最終的に解決されたこと」という文言は、請求権に関する問題が締約国間ではもちろんその国民の間でも完全で最終的に解決されたという意味に解釈することがその文言の通常的意味に符合し、単に締約国間で互いに外交的保護権を行使しないことにするという意味では読めない。
(5)日本は、請求権協定の締結以後、請求権協定で両締約国国民の個人請求権が消滅するのではなく両締約国が外交的保護権だけを放棄したという立場を取ってきた。これは、日本政府が自国国民に対する補償義務を回避するために「在韓請求権について外交的保護権を放棄した」という立場を取ったところから始まったものだ。しかし、次に見るように、大韓民国は初めから対日請求要綱8個の項目を提示して強制徴用被害者に対する補償を要求し、請求権資金の分配は全面的に国内法上の問題という立場を取り、このような立場は請求権協定締結の当時まで維持された。
先に見た事実関係及び記録によれば、次のような事実を知ることができる。すなわち、①大韓民国側は1952.2.15の第一次韓日会談から8個の項目を日本側に提示し、1961.5.10の第5次韓日会談予備会談一般請求権小委員会第13次会議において、8個の項目のうち第5項と関連して「強制徴用で被害をこうむった個人に対する補償」を日本側に要求し、個人の被害に対する補償を要求するということなのか、という日本側の質問に対し、「国として請求するものであり、被害者個人に対する補償は国内で措置する性質のこと」という立場を明らかにした。②1961.12.15の第6次韓日会談予備会談一般請求権小委員会第7次会議で、大韓民国側は日本側に8個の項目に対する補償として合計122,000万ドルを要求してそのうちの強制動員に対する被害補償金を36,400万ドルと算定して提示した。③請求権協定締結の直後である1965.7.5に大韓民国政府が発刊した「大韓民国と日本国間の条約及び協定解説」には「財産及び請求権問題の解決に関する条項によって消滅する私たちの財産及び請求権の内容を見れば、私たちの側が最初に提示したことがある8項目の対日請求要綱で要求したものは全て消滅することとなるところで、したがって…被徴用者の未収金及び補償金、…韓国人の大日本政府及び日本国民に対する各種請求などが全て完全にそして最終的に消滅することになることだ。」と記載されている。④19658月、チャン・キヨン経済企画院長官は、請求権協定第1条の無償3億ドルは実質的に被害国民に対する賠償的な性格を持つという趣旨の発言をした。⑤請求権協定の締結後、大韓民国は請求権資金法、請求権申告法、請求権補償法、2007年及び2010年犠牲者支援法などを制定して、強制徴用被害者に対する補償金を支給した。2010年犠牲者支援法により設置された「対日抗争期強制動員被害調査及び国外強制動員犠牲者など支援委員会」の決定(前身である「太平洋戦争前後国外強制動員犠牲者支援委員会」の決定を含む)を通じて20169月ごろまでに支給された慰労金などの内訳を調べれば、死亡・行方不明慰労金3,601億ウォン、負傷者慰労金1,022億ウォン、未収金支援金522億ウォン、医療支援金1人当り年80万ウォンなど5,500億ウォンほどになる。
このような事実を総合してみれば、請求権協定の当時、大韓民国は請求権協定で強制徴用被害者の個人請求権も消滅したり、少なくともその行使は制限されるという立場を取ったことが分かる。したがって、請求権協定の当時の両国の真の意思が外交的保護権だけを放棄するというところに一致していたのではない。

(6)一方、国際法上の戦後賠償問題などと関連して、主権国家が外国と交渉をして自国国民の財産や利益に関する事項を国家間条約を通じて一括的に解決するいわゆる「一括処理協定(lump sum agreements)」は国際紛争の解決・予防のための方式の一つであり、請求権協定締結当時の国際慣習法上一般的に認められた条約形式だ。一括処理協定は国家が個人の請求権などを含めた補償問題を一括妥結する方式であるから、その当然の前提として、一括処理協定によって国家が相手国から補償や賠償を受けたとすればそれによって自国民個人の請求権は消滅するものとして処理されて、この時、その資金が実際に被害国民に対する補償用途として使われなかったとしても同じことだ[国際司法裁判所(ICJ)2012.2.3宣告したドイツ対イタリア主権免除事件(Jurisdictional Immunities of the State,Germany v. Italy:Greeceintervening)、いわゆる「フェリーニ(Ferrini)事件」判決参照]

請求権協定に関しても、大韓民国は日本から強制動員被害者の損害賠償請求権を含めた対日請求要綱8個の項目に関して一括補償を受け、請求権資金を被害者個人に補償の方法で直接分配したりまたは国民経済の発展のための基盤施設再建などに使うことによって、いわゆる「間接的に」補償する方式を採択した。このような事情に照らして見る時、請求権協定は大韓民国及びその国民の請求権などに対する補償を一括的に解決するための条約であり、請求権協定の当時に国際的に通用していた一括処理協定に該当すると見ることができる。この点でも、請求権協定が国民個人の請求権とは関係なく単に両締約国が国家の外交的保護権だけを放棄することとする合意を入れた条約だと解釈することは難しい。
. 請求権協定第2条に規定する「完全で最終的な解決」や「いかなる主張もできないこととする。」という文言の意味は、個人請求権の完全な消滅までをいうものではないが、「大韓民国の国民が日本や日本国民を相手として訴えによって権利を行使することは制限される」という意味に解釈することが妥当だ。
(1)請求権協定は、その文言上、個人請求権自体の放棄や消滅に関しては直接定めていない。この点で、サンフランシスコ条約第14(b)が「連合国は全ての補償請求、連合国とその国民の賠償請求及び軍の占領費用に関する請求を全て放棄する。」と定めて明らかに請求権の放棄(waive)という表現を使ったことと区別される。したがって、請求権協定により個人請求権が実体法的に完全に消滅したり放棄されたと見難いということには別個意見2と見解を共にする。
(2)請求権協定第21は、請求権に関する問題が「完全にそして最終的に解決されたこととなることを確認する。」と規定していて、「完全で最終的な解決」に至る方式は第2条3に規定する「いかなる主張もできないこととする。」という文言によって実現される。 すなわち、「いかなる主張もできないこと」という方法を通じて請求権問題の「完全で最終的な解決」を期している。ところで、「いかなる主張もできないこととする。」という文言の意味は、先立って調べたように、請求権に関する大韓民国の外交的保護権だけを放棄するという意味に解釈することはできず、そうかと言って請求権自体が実体法的に消滅したという意味だと断定するのも難しい。それならば、「いかなる主張もできないこととする。」という文言の意味は、結局、「大韓民国国民が日本や日本国民を相手として訴えで権利を行使することが制限される」という意味に解釈するほかはない。
(3)先に見たように、大韓民国は請求権協定締結後に請求権補償法、2007年及び2010年犠牲者支援法などを制定して強制徴用被害者に補償金を支給した。これは、請求権協定により大韓民国国民が訴訟で請求権を行使することが制限された結果、大韓民国がそれを補償する目的で立法措置をしたものだ。「外交的保護権限定放棄説」によるなら大韓民国が上のような補償措置を取る理由を見い出し難い。
. (1)別個意見2が、大韓民国が請求権資金法などの補償立法を通じて強制動員被害者に対して行った補償の内訳が実際の被害に比べて非常に不十分だったという点を上げて請求権協定の効力を解釈する根拠とするのも受け入れ難い。先に見たところのように、「一括処理協定(lump sum agreements)」によって国家が補償や賠償を受けたとすれば、その国民は相手国またはその国民に対して個人請求権を行使できないのであり、これは支給された資金が実際には被害国民に対する補償用途として使われなかったとしても異なるとは見られないためだ。
(2)日帝強占期に日本が不法な植民支配と侵略戦争実行のために強制徴用被害者に加えた苦痛に照らしてみる時、大韓民国が被害者に対して行った補償が非常に不十分なのは事実だ。大韓民国は2006.3.9、請求権補償法に基づいた強制動員被害者補償が不充分だということを認めて追加補償の方針を明らかにした後、2007年犠牲者支援法を制定し、その後2010年犠牲者支援法を追加制定した。しかし、このような追加的な補償措置によっても国内強制動員被害者は当初から慰労金支給の対象に含まれなかったし、国外強制動員生還者に対しては、2007年犠牲者支援法制定当時の国会で1人当り500万ウォンの慰労金を支給する内容の法案が議決されたが、追加的な財政負担などを理由として大統領が拒否権を行使し、結局、彼らに対する慰労金の支給は行われなかった。
(3)日本政府が請求権協定の協議過程で植民支配の不法性を認めなかった状況で大韓民国政府が請求権協定を締結したことが果たして正しかったのかなどを含めて、請求権協定の歴史的評価に関してまだ論議があるのは事実だ。しかし、請求権協定が憲法や国際法に違反して無効だと見るのではないならば、その内容を好もうと好むまいと、その文言と内容に従って守らなければならないことだ。請求権協定で個人請求権をそれ以上行使できなくなったことによって被害をこうむった国民に、今でも国家は正当な補償をしなければならない。大韓民国がこのような被害国民に対して負う責任は法的責任であって、これを単純に人道的・恩恵授与的措置と見ることはできない。大韓民国は被害国民の訴訟提起の可否と関係なく正当な補償が行われるようにする責務があって、このような被害国民に対して大韓民国が訴訟でその消滅時効完成の有無を争うことも無いと見る。
. 結局、大韓民国国民が日本または日本国民に対して持つ個人請求権は、請求権協定によって直ちに消滅したり放棄されたとは言えないが、訴訟でこれを行使することは制限されることになったので、原告たちが日本国民である被告を相手に国内で強制動員による損害賠償請求権を訴えとして行使することもやはり制限されると見るのが正しい。
これと異なる趣旨で判示した原審の判断には請求権協定の適用範囲及び効力などに関する法理を誤解した誤りがあって、原審が根拠とした還送判決の請求権協定に関する見解も、やはりこれに背馳する範囲内で変更されなければならない
以上のような理由から、多数意見に反対する。

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Author:Chaamiey
別名 茶阿弥
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