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「竹島外一島」問題 俗説への反問

「伺之趣竹島外一島之儀本邦関係無之儀ト可相心得事」
明治10年3月29日 右大臣岩倉具視

  この指令によって、太政官は、「竹島」である鬱陵島と「外一島」である松島すなわち今の竹島を版図外と指示した、というのが日韓両国で一般的に信じられている俗説です。

 太政官指令が鬱陵島と今の竹島を版図外と指示したということは、すなわち岩倉具視が竹島外一島本邦関係無しと言うときに鬱陵島と今の竹島のことを思い浮かべていたということと全く同義なので、「ではそれを証明して下さいよ」と反問することができます。

 あるいは、鬱陵島は北緯37度30分、東経130度52分にあり、今の竹島は北緯37度14分、東経131度52分にあるので、「岩倉具視が竹島外一島本邦関係無しと言うときに北緯37度30分、東経130度52分にある島と北緯37度14分、東経131度52分にある島を思い浮かべていたことを証明して下さい」と言うこともできます。

 もともと、 太政官指令は鬱陵島と今の竹島を版図外と指示したと主張する人たちは、上に書いたことを証明できたからこそそういう主張をしているはずなのです。しかし、現実はそんな証明は全くできていません。日韓両国の誰もそんなことを証明した人は未だ一人もいません。それどころか、そもそも彼らはそういうことを証明することが必要だという認識自体がありません。太政官指令は鬱陵島と今の竹島を版図外と指示したと主張する人たちは、一体何を考えたらそういう主張ができるんでしょうね。

 で、そういう人たちに対して、「指令を下すときに岩倉具視が鬱陵島と今の竹島を思い浮かべていたことを、あるいは北緯37度30分、東経130度52分にある島と北緯37度14分、東経131度52分にある島を思い浮かべていたことを証明して下さいよ」と問いかければ、相手はたぶん、「は? 何を寝ぼけたことを言っているんだ? 太政官指令に添付された磯竹島略図を見れば一目瞭然ではないか?」と言い返して来るでしょう。

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 ところが、磯竹島略図は太政官指令に添付された図面ではないですよね。太政官指令は「伺之趣竹島外一島之儀本邦関係無之儀ト可相心得事」という23文字であって、何も添付されていません。磯竹島略図は太政官指令が発されるきっかけとなった島根県提出の「日本海内竹島外一島地籍編纂方伺」の添付資料です。太政官が作成したものでもないし、太政官の指令を求めた内務省が作成したものでもありません。

 ですから、いくら「島根県が提出した磯竹島略図にはちゃんと鬱陵島と今の竹島が書いてあるじゃないか」と声高に叫んでも、それでは全く明治10年当時の岩倉具視の判断を説明したことにはなりません。そうではなくて、その磯竹島略図を岩倉具視がどういうふうに見たのか、どういうふうに理解したのか、その結果、指令を決裁するときに岩倉具視は果たして鬱陵島と今の竹島のことを思い浮かべていたのかをきちんと証明しなければならないのです。

 それで、「磯竹島略図に何が書いてあるかは分かるけど、それを見て岩倉具視がどう判断したのかがポイントですよ、それを説明して下さい。あなたは既にそれを調べたのではないのですか」と問い直すことになります。そうすると、相手は、たぶん、「磯竹島略図に描いてあるとおりに鬱陵島と今の竹島と判断したに決まっている」というようなことを言うでしょう。

 その答えは何の証明も伴っていません。単にその人がそう思っているだけです。それで、「決まっている、なんて言うだけでは何の証明にもなりません。ちゃんと証明すべきです。」と応答すると、相手は何と言うでしょうか。

 例えば、「ハハハ、自分たちに不利な磯竹島略図を認めることのできないネトウヨが、話をごまかすために、岩倉具視の頭の中を証明しろなどと不可能なことを求める詭弁を言うね。」とでも言ってくれたらしめたもの。「あ、つまり、あなたは岩倉具視の考えを証明できないことを認めるのですね。それなら、あなたは、何で岩倉が鬱陵島と今の竹島を版図外と判断したと言っているのですか? 根拠も無しにただ言っているだけなんですね」とでも言って見ましょうか。

 この辺りで話は決裂しそうです。当たり前のことですが、岩倉具視の考えを立証しろと求めると言っても、何も岩倉さんの脳細胞の反応を証明しろなんて言っているのではなくて、何かの記録資料で岩倉の判断内容が分かればそれでいいのです。しかし、磯竹島略図絶対主義者たちは、岩倉が指令を下すときに鬱陵島と今の竹島を想定していたことを物語る資料を何一つ提示したこともないし、今後も提示することはできません。何故ならば、そんな資料は何もないからです。

 結局、「太政官指令は鬱陵島と今の竹島を版図外と指示した」と主張する人たちは、何も考えずに、何を考えるべきかさえも分からずに、ただそういうことを口走っているだけの浅はかで無責任な存在なのです。こういう人たちのおかげで、何ら証明できないことがさも歴史の真実であるかのように喧伝されて、竹島論争に本来無用の混乱が生じて来ました。こういう人たちには、竹島領有権論争という真面目な場からさっさと出て行ってもらいたいものです。

 そういう無用の混乱を引き起こして来た人たちを、知る限り列挙してみましょうか。(敬称略)

〇韓国側
 韓国政府、東北亜歴史財団、保坂祐二(世宗大学教授)、毎日新聞、イ・ソンファン(啓明大学教授)、ホン・ソングン(東北アジア歴史財団独島研究所長)、チェ・チャングン(大邱大学教授)、柳美林、パク・ジヨン(韓国海洋水産開発院)、キム・ホドン(嶺南大学独島研究所教授)、シン・ヨンハ(ソウル大学名誉教授)、朴炳渉(半月城通信主宰)、イ・テウ(嶺南大学独島研究所研究教授)、権純哲(埼玉大学教授)

〇日本側
 堀和生(京都大学教授)
 岡田卓己(啓明文化大学外国人専任講師)
 漆崎英之(牧師)
 和田春樹(東京大学名誉教授)
 谷野作太郎(外務省元駐中国大使)
 東郷和彦(京都産業大学教授)
 池内敏(名古屋大学教授)
 竹内猛(郷土史研究家)
 美根慶樹(日朝国交正常化交渉元日本政府代表)
 久保井規夫(竹島の日を考え直す会理事長)

 なお、結果としては太政官指令に触れた部分は世に出なかったらしいが、こういうものもありましたよ。危ない、危ない。
 → 実教出版(株)平成28年度検定申請本(高校日本史B)

 今回の文章は、気づいた人もいるかも知れませんが、以前に発表した「太政官指令竹島外一島の解釈手順」を別の言い方で表現したもので、趣旨は全く同じです。それと、太政官指令の竹島と松島は、実はアルゴノート(架空の鬱陵島)と鬱陵島を指すものであったことは、同じく以前に発表した「太政官指令竹島外一島が示していたもの」で詳細に論じました。

 ところで、最近Twitterで、韓国人と思われる二人の人が「太政官指令には独島は含まれていない」と言っているのを見ましたよ。韓国人でも分かる人は分かるのです。





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